コラーゲンの摂取と美肌のあいだにはこれといった影響関係がないということが明らかになった現在でも、コラーゲンは不死鳥のように蘇り、美肌に有効な成分として扱われます。コラーゲン配合のサプリは、現在はペプチドであるとかアミノ酸などを評価することによって、最終的にコラーゲンの効果を証明しようとする傾向にあります。

いまさら「コラーゲンを摂取すれば美肌になる」ということを心の底から信じている女性はいないとは思うのですが、「コラーゲンと美肌」を結びつける流れは、折に触れて「滅びたと思えば蘇る」ということを繰り返す傾向があります。
「コラーゲンが配合されているサプリ」の登場は、いちど葬り去られたはずのコラーゲンに対する信仰を、サプリのブームにあわせて復帰させようとするものであると考えてまず間違いないでしょう。

コラーゲン下げペプチド上げのテキストには論拠がない

「コラーゲンが配合されているサプリ」については、「コラーゲンと美肌の関係は希薄である」ということをひとまず引き受けたうえで「コラーゲンには効果はないが、ペプチドが美肌に“なりうる”可能性がある」ということを示唆するという戦略がとられているのが特徴的です。
コラーゲン配合のサプリについてのテキストは、「ペプチドの作用」にまつわる「専門的な解説」が中心となるのですが、これらの「専門的な解説」が、確かな根拠もなく、あくまで類推でしかなく、素人が書いている場合が多いということは注目に値します。

コラーゲンをめぐる言説は二転三転して何も変わっていない

近年は、「コラーゲン配合のサプリ」をまず提示しておいて「コラーゲンも、ペプチドもそれほど効果があるわけではない」ということを一応は引き受けながら、「実はコラーゲンより美肌に効果的なのはアミノ酸だ。なぜなら、アミノ酸はコラーゲンの素材になるからだ」などといって、別の、美肌に効果がないサプリを紹介するというような方法も目立つようになってきました。
こういった「コラーゲンにおける偽装転向」ともいえるようなテキストに対しても冷静な視線を注ぐ必要があるでしょう。
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